みんな大好きMA-1。アメリカ空軍のパイロットが着用していた着丈の短いアウターのことを指しますが、シンプルな形と普遍的なデザインから今でもファッションの文脈で多くの人に愛されているそんな一着です。多くの人が想像するのは外側がセージグリーン、内側がオレンジののツートンカラー。軍ものと言えばカーキやセージグリーンを想像しますが、なんでMA-1の裏地がオレンジか皆さんご存知ですか? これはパイロットが着用していた、というところに起因しています。飛行機が海に墜落した時にMA-1を着ている兵士が、それを裏返して目印に出来るようにと、このカラーリングが採用されたのです。〈Rafield〉の「ショートブルゾン」はそんなMA-1がデザインのもとになり出来上がりました。今の世の中、飛行機が墜落して海に投げ出されるなんてことはないかもしれませんが、それはそれで良しだと思いましょう。今回の記事では、そんな「ショートブルゾン」の隠された秘密を一つずつ紐解いていきます。

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01.左袖にある隠しポケット

この商品の最大の特徴といっても過言ではない袖口に隠されたポケット。自転車に乗って移動しているときを考えて付け加えられたディティールです。自転車に乗っているとき、気になるのは荷物のこと。パンツのポケットに入れたケータイ、定期、財布、落としそうで心配ですよね。

そんなときに役に立つのが、このディティール。袖口に隠されたポケットがあり、スマートフォンや財布ならすんなり入れることが出来ます。マチも少なく設計しているので、中にモノを入れても、もたつくことはありません。さっと開けて、素早くアクセスできる優秀なポケットです。

02.着脱可能な首元のストラップ

冷えは首元からってよく言います。例えば自転車に乗っているときも、街を歩いているときも、風が直接当たるより、風よけがあるほうが断然いいのです。そんなときにこの仕様が役に立ちます。普段は寝かせている襟を立ち上げて、首元にあるストラップで留める。立ち襟のように着ることが出来るのです。

寒いと感じれば、襟を立てて着る。暑いと思えば、ストラップを外して。体温調節も簡単に出来るのです。

03.サイズを調整する要所の仕様

ユニセックスで展開するブランドによくあるサイズの問題。性別問わず着用するための解決策として、よくあるのはただサイズを大きくしただけの商品。男性が着る分には構いませんが、女性が着るとなると不格好になってしまいます。〈Rafield〉はユニセックスのブランド。このサイズ問題を解決するためのディティールも沢山あります。

一つ目は裾に仕込んでいるドローコード。このコードを絞ることでストレスなく着用することが可能になります。左右どちらの裾にもコードを入れているため、絞ってお好みの丈感で。小柄な女性にとっては長すぎる丈も、この仕様のおかげで難なく着用することが出来ます。サイズ調整だけでなく、シルエットにも変化をつけることが出来るため、1つの商品で2つの着用パターンを楽しむことが出来ます。

2つ目は袖口についてるスナップボタン。

ゆとりのあるシルエットが好みの方は緩いほうで。絞って着るのはお好きな方は、奥のボタンに付け替えることで着用感を変化させることが出来ます。女性が着るとダブついてしまう袖も、奥のボタンで留めればしっかりと袖口でキープすることが出来ます。長すぎてだらしなくなってしまう袖とはおさらばです。

最後に着用イメージを載せておきます。男性モデルが175cm、女性モデルが160cmとなっています。商品は1サイズ展開なので、ぜひご参考に。

  • 有限会社森川レース

    有限会社森川レース

    レースとは、アパレルの可能性を広げるキャンバスのひとつである。森川レースでは、アウターレースから始まり、幾つもの天然素材でレースを編み続け、レース編みの不可能に挑戦してきました。レースが、デザイナーにとって可能性を引き出すキャンバスでありつづけるよう、森川レースはレースの可能性を広げ、デザイナー達の自由な表現を紡ぎだす「きっかけ」を作り続けていきます。

Text & Photo:
宮﨑涼司

人一倍、服が好きなCRAHUGのジャーナル担当。給料のほとんどをファッションへ投資する。好きなメディアは「AWW MAGAZINE」と「NEUT MAGAZINE」。

Date: 2022.04.17

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