【特集】
知っておきたい。
私の“レザーアイテム”お手入れ方法

環境や使い方によって、表情が十人十色で変わっていくレザーアイテム。レザー個々の素材に合わせてケアができると、不思議と使い心地も愛着も徐々に深まるもの。大切な品を長く使っていただくために、今回はCRAHUGに参加しているバッグ雑貨ブランド〈Atelier nuu〉、〈YUSHI〉、〈REDOW〉にお手入れ方法を教えてもらいました。基本のお手入れと、天然皮革や合成皮革の種類によって知っておきたいポイントを覚えましょう。

INDEX

滑らかな触感がクセになる
〈Atelier nuu〉の牛革バッグ

― 最初にご紹介するのはAtelier nuuのショップマネージャー、石田さんがお勧めするお手入れ方法です。石田さんは店舗での販売・管理、商品開発にも発案の段階から携わっております。まずはAtelier nuuのバッグで使用している革の特徴を教えてください。

【石田】当社のバッグは、できるだけ気軽にご愛用していただけるように顔料仕上げの牛革を使用しています。顔料仕上げの革はコーティングするように色を着ける方法で仕上げられています。ある程度撥水性もあり、キズなども目立ちにくく、ほとんど色落ちしないため、お取り扱いのしやすい革です。

【本革】clay ショルダーS
¥35,200(税込)
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― 多少なキズに左右されず、均一な色味や表情を楽しめるのはとても魅力的ですね。お手入れのタイミングはいつ頃でしょうか?

【石田】ほぼ毎日ご使用される場合は月に1回程度、週に1回程度のご使用なら3ヵ月に1回程度の頻度が望ましいとされています。とはいえ必ずしもこの頻度でお手入れしなければならないことはございません。革の状態を見て、必要であればその都度お手入れしていただき、無理のないペースで続けてください。

― 自身のペースでお手入れをしていくことで段々と自分だけの味わいある革になり、愛着が増していくのではないかと思います。では、汚れた場合のお手入れ方法を教えてください。

【石田】バッグの底などが汚れてきた場合は、レザークリーナーなどで汚れを落とすことができます。まずはブラシ(馬毛タイプがおすすめ)でバッグのホコリを取ります。クロスや柔らかい布にレザークリーナーを少量付け、汚れ部分を拭き取ってください。取り終わったら保革クリームを塗り革に油分を与えます。1時間ほど乾かし、最後に防水スプレーを吹きかけ乾燥させたら完了です。それでも取れない汚れはプロに相談しましょう。

― 汚れてしまったらついつい慌ててしまいますが、まずは正しい方法でメンテナンスすることが重要だと知りました。常備しておくべきグッズをアドバイス頂きたいです。

【石田】ブラシ(馬毛)、レザークリーナー、クロス、保革クリーム、防水スプレーを常備しておくと良いと思います。

― 自宅で保管する時はどのようにしたら良いでしょうか。

【石田】本革は直射日光や高温多湿な場所に弱いため、日の当たらない室内の風通しの良い場所で保管してください。クローゼットに入れる場合は、時々開け放って換気をしましょう。カビの発生を防ぐために、ホコリを取り、クリーナーや保革クリームでお手入れをしてから保管してください。また、中に紙を詰めて立てて保管することで、型崩れを防ぐことができます。保存用の袋に入れる場合は、通気性の良い不織布袋に入れるのがおすすめです。

―保管方法もお手入れに欠かせない重要なポイントですね。その他、お伝えしたいことを教えてください。

【石田】いくらお気に入りのバッグでも時々は休ませてあげることが大切です。本革は使うことで馴染んでいきますが、同じものばかり使用すると傷みが早くなってしまいます。休日には中身を出して定期的に革のお手入れをすることで、お気に入りのバッグをぜひ長くご愛用ください。

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素材の味を楽しめる〈YUSHI〉の牛革バッグ

―次にご紹介するのはYUSHIのブランドディレクター、坪田さんがお勧めするお手入れ方法です。坪田さんはブランド全体のディレクション、新商品のデザイン等も行っています。まずはYUSHIのバックで使用している革の特徴を教えてください。

【シュリンクレザー】CONTE - TOTEBAG トートバッグ
¥23,100(税込)
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【坪田】革の種類は様々なものを使っています。革バッグが持つ、かたいイメージではなく、布、ナイロン等のバッグの様に日常生活の中で気軽に使える革バッグとしてデザインすることが多く、少々つかいこんでも“くたっ“とした所が味として楽しめる様になっています。

― 経年変化で素材の味を感じられるのも醍醐味の一つですね。お手入れのタイミングはいつ頃でしょうか?

【坪田】常にきれいに使いたい方は、使用後こまめにブラッシングをし、雨に濡れた場合、よごれた場合もすぐに布で拭くなどできるといいです。革の表面は何もしないと乾燥してしまうので、月1回程度、革用のオイルなどを塗ってあげてください。

― お手入れのタイミングで自分だけの色や艶を育てていけることも革バッグの楽しみです。坪田さんがお勧めする、革の簡単なお手入れ方法を教えてください。

【坪田】革用のブラシでブラッシングして表面のよごれ、ほこりを落とします。汚れのひどい時は革用クリーナーで拭くか、固く絞ったぬれタオルでふき上げます。仕上げに革用のトリートメントオイルで表面を磨き、よく乾かすと良いでしょう。

― 上手にお手入れしながら長く大切に使っていく、それはすごく素敵なことだと思います。常備しておくべきグッズをアドバイス頂きたいです。ブラシ、革用クリーナー、トリートメントオイル、防水スプレーを使うことが多いと思います。

― 自宅での保管も気になるところです。どのようにしたら良いでしょうか。

【坪田】通気性の良い布袋か不織布に入れ、湿度が高くない場所に保管していただければ大丈夫です。

― 色褪せや変色を防ぐためにも大切ですね。その他、お伝えしたいことを教えてください。

【坪田】バッグを買われた後、お手入れ後は防水スプレーをかけておくと防水はもちろんよごれ、傷もつきにくくなります。上記にあげたお手入れ方法も革の素材によってことなりますので、裏などで試してみてください。

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ラグジュアリー市場の高品質な
〈REDOW〉の合成皮革バッグ

― 最後にご紹介するのはREDOWの企画部長、高野さんがお勧めするお手入れ方法です。高野さんは商品の開発・管理、全体のマネジメントを行っております。REDOWでは合成皮革を使っていますが、まずは素材の特徴から教えてください。

【高野】国産の材料を使い全て国内工場で製造している高品質な合成皮革です。柔らかな風合いとしなやかな触感に加え、本革では表現しにくい色や柄を実現しています。本革やPVCレザーより軽量なのに耐久性があり、長くお使いいただけるので環境負荷の軽減に役立ちます。

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¥12,166(税込)
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― 天然皮革のような見た目ですが、ラフに使いやすい素材に驚きです。手入れのタイミングはいつ頃でしょうか?

【高野】本革と違い日常的に特別なお手入れは必要ありませんが、汚れが付いたら水拭き、除菌ティッシュ等でその都度、早く拭き取ることを心掛けてみてください。

― なかなかお手入れの時間が取れないという忙しい方にもうってつけですね!高野さんがお勧めする合成皮革の簡単お手入れ方法を教えてください。

【高野】ます最初に水で薄めた中性洗剤を柔らかい布に浸し、固く絞ってから汚れを拭き取ってください。拭き取ったら洗剤が残らないよう、水で濡らして固く絞った柔らかい布で拭き、乾いた柔らかい布で水分を取り除いてください。最後に形を整えてから、風通しの良い場所で陰干しをして完了です。折りジワが気になる時は、裏返して低温のスチームアイロンをあててみてください(表面には決してアイロンをあてないようご注意ください)

― 時短でシワも取れてしまうのは嬉しいポイントです。常備しておくべきグッズはありますか? ご家庭にある洗剤でお手入れ可能です。特別なグッズは必要ありません。

― なんと、家にある物でお手入れできるのは楽すぎます。保管はどのようにしたら良いでしょうか。

【高野】高温多湿と直射日光を避け、風通しの良い場所で保管してください。しばらく使わないときは、型崩れや折りシワを防ぐため、ご購入時のように紙などを中に詰め、付属の不織布の袋に入れての保管をお勧めします。

― 合成皮革のお手入れや保管方法を知る機会となりました。これから気にかけていきたいと思います。その他、お伝えしたいことを教えてください。

【高野】軽くて柔らかくお手入れしやすいので使用シーンを気にせず、長くご愛用いただけると嬉しいです。

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皆様、天然皮革や合成皮革のお手入れ方法をご紹介しましたが、いかがでしたか? 使い方やお手入れの方法で個々のバッグに個性が芽生えると思います。日頃の愛情あるお手入れを通して段々と“愛用アイテム”になっていきます。是非、それぞれのやり方を参考にしながら、バッグを育てることを楽しんではいかがでしょうか。

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  • 株式会社アートフィアー

    株式会社アートフィアー

    Re-Creation,Re-Cycle,Re-Communication.【鞄創造により人生を豊かにする】ことをミッションに掲げ、50年以上鞄作りを行っている鞄製造メーカーです。普遍的・タイムレス・機能的であることをテーマに、モノが溢れる時代にモノを大切にすることを大事にし、人生の豊かさを伝えていける進化する”鞄創造ブランド”を目指します。

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    YUSHI

    常識にとらわれない自由な発想 YUSHIはこれまで、新素材とのセッションを試みた商品開発や、トレンドに捉われない自社独自のカラーの提案など、その時代のライフスタイルに新しい感性や意識を与える商品を作り続けてきました。 今後もYUSHIの独自性である「グラフィカルでオリジナリティのある色だし」「ヒューマンな丸みをもった形」「さまざまな分野からの素材開発」「人間のぬくもりや手仕事(職人気質)を活かした質感」の4つを軸にし、使い手に心地よくフィットする商品を作り続けていきたいと思います。 YUSHIでは、心地よい解放感、肌になじむフィット感を大事に考えて商品をつくっています。 色と素材のかかわりや、色と色のコンビネーションには、特にこだわりをもっています。 フォルムはできる限り削り落としてシンプルにしています。 ただ、研ぎ澄まされただけではなく、そこに遊びの要素を加えることで、商品の魅力をさらに引き出しています。

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    柔らかな手ざわりに加え、卓越したデザイン性と優れた機能を併せ持つUltrafabricsグループの湿式ポリウレタンレザー。そこには、ものづくり日本を象徴する「匠の業」が注ぎ込まれています。基布や樹脂など各種素材に関する継続的な研究開発と、顧客ニーズを的確にとらえる柔軟な対応力が、ジャパンブランドを名乗るにふさわしい至高の一品を生み出しています。

Text & Photo:
菊地優希

CRAHUGのジャーナル担当。一人で旅に出かけるほどのアウトドア派。写真は愛犬のアイビーとバジル。

Date: 2023.09.26

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