夏になると、何もしたくなくなる日が増えていきます。暑くて食欲が無いし、キッチンに立つ気力が湧かない…そんな経験、きっと誰にでもあるのではないでしょうか。 そんなしんどい季節のなかでも、「無理せず」「ちゃんと」「気持ちよく」食べることを大切にしているのが、CRAHUG公式アンバサダーであり、一児の母として日々を忙しく過ごす石岡真実さんです。

「しんどいな、作りたくないなって日は、お惣菜とお気に入りのお皿に頼ればいいんです(笑)。それだけでなんか凝っている、気分が上がる一皿になるんだから!」

暑さに負けず、ごはんを楽しむためのコツ。そして、ほんのちょっとのひと手間で、暮らしが整うヒント。 今回は、そんな石岡さんの“夏のごはん”の知恵を、自宅キッチンから届けます。


「冷やしすぎない」が、私の夏ルール

冷たい飲み物、冷房、アイス…気持ちいいけれど、体を内側から冷やしすぎていない?

「夏はどうしてもエアコンに頼りがちで、体が冷えて、なんだか調子も悪くなる気がするんです。だから私は、食べものだけでも温かさを取り入れるようにしていて。生姜や山椒、にんにくとか、“さっぱりしてるけど温まる”レシピが多いですね」

冷たいものばかりに偏らず、ほんの少しでも体を整える意識。スッと食べられて、あとから元気が湧いてくる。そんなバランス感覚が、石岡さんの夏の料理には息づいています。体をいたわるように食べること。それは、暑さに負けない心と体をつくるための、小さな知恵なのかもしれません。

ここからは、石岡さんの夏の定番、火を極力使わず、誰でも気軽に作れる料理を4品、ご紹介します。


①すっきりよだれ豆腐

よだれ鶏ならぬ、よだれ豆腐。にんにくや生姜が体を内側から温め、食欲が落ちがちな日にもスルッと食べられる、石岡さんの夏の定番メニューです。

「豆腐の水気を軽く切って、そこに香味だれをかけるだけ。おろしにんにくや、おろし生姜を加えると食欲がぐっと湧いてきます」

白ごはんにも、お酒にも合う。忙しい日や疲れた夜に、さっと作れて頼りになるひと皿です。

絹ごし豆腐…1丁
★長ねぎ(みじん切り)…大さじ4
★生姜(すりおろし)…大さじ1
★にんにく(すりおろし)…大さじ1
★ごま油…大さじ1
★醤油…大さじ3
★酢…大さじ3
★きび砂糖…大さじ1

1. ★をすべて混ぜる。 2. 豆腐にかけて完成。

②ピーマンの胡麻味噌ポン酢

ただピーマンを焼いて、ポン酢と味噌で味付けするだけ。なのに驚くほど美味しくて、気づけばバケツ一杯分食べてしまいそうになる。そんな、石岡さんが昔ご近所のお肉屋さんから教わったという思い出のレシピです。

「食べる直前に、さらに黒胡麻を振ると、香ばしさがプラスされて箸が止まらない味に。冷蔵庫で少し冷やしてから食べるのもおすすめです」

フライパンでさっと焼くだけで完成する、手軽さも魅力の夏のおかずです。

ピーマン…8個
太白ごま油…大さじ1
塩…少々
★ポン酢…大さじ2
★味噌…大さじ1
★黒すり胡麻…小さじ2

1. ボウルに★を混ぜておく。 2. フライパンに油と塩を入れて熱し、ピーマンを焼き付けるように炒める。 3. ★にピーマンを加えて和える。

③男爵芋の中華風サラダ

じゃがいもは茹でてホクホクに…と思いきや、あえてシャキシャキ感を残して仕上げる石岡さん流の中華風サラダ。口当たりも軽く、食べごたえもあり、栄養も満点です。

「シャキシャキ感をぜひ楽しんで!もしあれば実山椒の塩茹でを乗せると、夏らしい清涼感がプラスされます◎」

お湯はサッとかけるだけ。あとは調味料と和えれば、さっぱりだけど、満足感のある一皿に仕上がります。

男爵芋…大2個
★酢…小さじ2
★塩…ひとつまみ
★鶏がらスープの素…ひとつまみ
★オリーブオイル…大さじ1
(お好みで)実山椒の塩茹で…少々

1. 男爵芋をスライサーで薄切りにし、酢(分量外)を少し入れた水にさらす。 2. ザルにあげ、熱湯を回しかける。透明になったら水に2〜3回さらし、水気をしっかり切る。 3. ★を加えて和える。お好みで実山椒を加える。

④レモンきゅうり

夏になると冷蔵庫に常備しておきたくなる、爽やかなたたききゅうり。庭で育てたミントを添えることで、香りに清涼感がプラスされ、口の中がすっきりリセットされる一品に。

「ビニール袋ひとつで作れるから、準備も片付けも簡単!味付けは控えめにしているので、他の料理との相性もばっちりです」

火を使わずに完成する、まさに夏の救世主。副菜としてはもちろん、箸休めにもぴったり。

きゅうり…2本
塩…ふたつまみ
★塩昆布…ふたつまみ(約8g)
★レモン汁…1/4個分
お好みで)ミント…適量

1. きゅうりをたたいて塩をふり、しばらく置いた後に水気を絞る。 2. ★で和える。 3. お好みでミントを散らす。


器があるから、
料理がもっと楽しくなる

料理の時間を楽しむために欠かせないのが、器の力。石岡さんにとって、器は暮らしを彩る大切な相棒のような存在です。

「お皿を選ぶときは、そこに3〜4品ぐらいの料理のイメージが浮かぶかどうか。持っている器とのバランスを思い出しながら、“今ない形”を買い足していく感じですね。楕円が多いから、八角を足そうかな、とか…」

この日使っていたのは、見た目に重厚感がありながらも、手に取ると驚くほど軽い〈aito製作所〉の器たち。

「藍色のトーンが骨董っぽくてすごく好きなんです。届いたとき、値段の割に全然チープじゃなくてびっくりしました」と、目を細めます。

盛り付けにも、石岡さんらしいこだわりが。

「余白をしっかり取って、ネギやごまなど仕上げのひと手間は“食べる直前”がルール。最後にもう一度振るだけで、ぐっと完成度が上がるんですよ」

好んで選ぶのは、白や青の器。素朴な骨董柄が多いそう。日々のごはんを、もっと気楽に、もっと楽しく。そんな願いをそっと支えてくれるのが、石岡さんの器たちです。


手に馴染む道具が、
台所にやさしさをくれる

日々使うものは、心地よいものを選びたい。石岡さんは、料理道具のほかに、ふきんやタオルにもこだわっているそう。

「〈SHINTO TOWEL〉のタオルは、ふわふわすぎず、でもごわごわもしなくて、乾きも早い。道具としてすごく使いやすいんです」

料理中の何気ない瞬間にも、やさしい感触を感じられる布ものは、台所を快適にする名脇役。気に入った道具がそばにあると、それだけで“ちょっと料理してみようかな”という気持ちになるものです。


気楽に過ごそう精神。
楽していいじゃん!

暑さが続く夏。無理に頑張らず、でもちゃんと自分をいたわる。そんな石岡さんの台所には、肩の力を抜く工夫がちりばめられています。

「夏のキッチンって、なかなか過酷ですよね(笑)。私はお酒を片手にキッチンに立ったりしてます。気分が上がるものがあれば、それだけでちょっと楽しくなるから」

やりたくない日は、無理して頑張らない。でも“美味しく食べたい”という気持ちだけは、そっと大切にする。そんな石岡さんが伝えたいのは、頑張りすぎなくても、大丈夫!というエールです。

「今日紹介したレシピは、全部スーパーで手に入る食材で作れます。特別な家電も使わないので、誰でもすぐに始められますよ!」

小さなひと手間を楽しみながら、自分をいたわる“夏のごはん”。今年の夏は、そんな台所との付き合い方を見つけてみませんか?


石岡 真実

20代はギャル系ブランドで働き、“ザ・スポ根”な環境でビシバシ鍛えられる。「ギャル魂」と「男気」があふれるアラフォー母ちゃん。 現在はフリーランスディレクターとして、 アパレルやライフスタイルブランドなど多数の企業とコラボアイテムを手掛けたり、料理のレシピ撮影など幅広く活動中。夫と息子(小学3年生)の3人暮らし。著書に『小柄な大人の春夏秋冬 ベーシックスタイル手帖』(扶桑社)、『母ちゃん、ていねいたまにガサツ』(双葉社)がある。
Instagram : @mami_ishioka


及川 理菜

Date: 2025.08.05

2才の姪っ子を愛でるのが趣味。CRAHUGのEコマース担当。好きなラジオのコーナーは霜降り明星のANN「ポケットいっぱいの秘密♪」のコーナー

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