―創業は何年ですか?

1892年、明治25年です。創業者先代石橋徳次郎が久留米市で前身となる仕立物業「志まや」を始めました。

―仕立物が発祥だったんですね、意外でした。現在のシューズの製造はいつ頃から始められたんですか?

1907年(明治40年)に足袋専業に転換しました。その後の1923年(大正12年)、運動靴の生産を始めました。

―大正時代に運動靴って存在していたんですね。想像以上に歴史が深く、驚きました。

―ファクトリーブランドをスタートしたきっかけは何ですか?

自社の技術を最大限に生かせるからです。私たちの製品は国内生産が70%、国外生産が30%ほどです。他社よりも国内生産の比率が高く、より日本製を強く打ち出せる点が強みです。 海外で製造はコスト面や機能面などでメリットがありますが、私たちは日本製に拘りものづくりを続けています。

―多くのブランドが海外生産に切り替わる中で国内生産構成が約70%はとても大きい数字だと思います。その国内生産を維持できている理由は何ですか?

技術の継承です。簡単な技術ではないため、1人前の職人になるまでには何年もかかります。 しかし、この継承はお客様の履き心地と快適さの為。たくさんの努力があるからこそ、責任と自信を持ってお届けできる品質を維持できています。

―大変な道のりですね。けれども、この技術の継承サイクルがあるからこそ今の国内生産に繋がる訳ですね。 ASAHI SHOESのものづくりで自慢できる点は何ですか?

久留米工場のみでシューズの一貫製造ができる点です。工場ではアッパーの縫製、ソールに用いる接着剤の製造、ソールに使用するゴムの焼き、インソールの製造まで行っています。縫製から完成までを一貫して1つの工場内で行えるのは、ありそうでなかなかないことなのではと思います。 あとは、品質です。業界の中でも高い検査基準で素材や製品の耐性テストを実施することにより、高い品質を維持し続けています。この検査も社内で行っています。

―久留米の工場1つでここまでのことができるんですね。規模感に驚きました。

―CRAHUGで取り扱っている商品についての質問がありまして...。SUNシリーズの質問なんですけど、SUNは昔からあるブランドのようですがどのようなラインですか?

1966年に商品化された「SUN」ブランドを復活させました。子供から大人の方まで履ける、シンプルで飽きのこないデザインが特徴です。

―確かにシンプルなデザインが多いですよね。SUNシリーズを見たときにシンプルなバレエタイプが気になったんですけど、あれにはどんな製法を用いているんですか?

インジェクション製法を用いています。底材を金型に流し込み、ソールの成形とアッパーへの接着を同時に行っています。アッパーに底材を染み込ませながら接着するので、ソールがはがれにくいです。

―ソールがはがれにくいのは嬉しいポイントだと思います。飽きのこないこそシューズは長く履きたいもですもんね。長く履くためのお手入れ方法ってありますか?

定期的に洗うことがミソです。中性洗剤でガシガシ洗ってあげてください(笑)その後は、十分にすすぎをして、日影干しをお願いします。 あとは1回履いたら1日休めてあげてください。2,3足をローテーションさせるだけで長持ちしますよ。

―僕もそうします。気を付けますね(笑) ところでSUNのおすすめ商品ってありますか?

今年の秋に発売した、「キャンバススリッポン506」、「P003」です。インジェクション製法のスリッポンのモデルです。男女・親子で履くことができますよ。

画像上から 【22.0cm~28.5cm】SUN506 ブラック キャンバススリッポン ¥3,850 (税込) 【14.0cm~19.0cm】SUNP003 ブラック キャンバススリッポン ¥2,750 (税込) 【14.0cm~19.0cm】SUNP003 ホワイト キャンバススリッポン ¥2,750 (税込) 【22.0cm~28.5cm】SUN506 ホワイト キャンバススリッポン ¥3,850 (税込)

―ユニセックス、親子で履けるスニーカーは嬉しいですね。コーディネートにも合わせやすそう。続いてはASAHIについて質問なんですけども、まずASAHIとはどんなラインですか?

1970年代に生まれたアメリカの伝統あるシューズを日本人向けに開発したものです。ロゴは1980年代に使用していたものを用いていることが特徴です。現行で販売しているものと区別をしたく、採用しました。

―復刻のラインってかっこいいですね、ロマンを感じます。ASAHIシリーズはどのように作られていますか?

主にヴァルカナイズド製法を用いています。これはアッパーとゴムのソールを別々に製作し貼り合わせ、構造的強度を高める為に加硫窯の中で加圧・加熱させます。手間も時間もかかりますが、型崩れしにくく美しいシルエットが保てます。 現在の日本では数社ほどでしか量産することのできない貴重な製法でもありますよ。

―製法に拘りつつ、シルエットもいいなんて欲しくなっちゃいます。そんなASAHIのおすすめ商品ってありますか? ヴァルカナイズド製法を用いた「デッキシューズL011」、「レザースニーカーL017」です。

画像上から L011 モノクロ ¥11,000 (税込) L011 ホワイト/グレー ¥11,000 (税込) L011 ホワイト/ベージュ ¥11,000 (税込)

画像上から L017 グレー ¥14,300 (税込) L017 オリーブ ¥14,300 (税込) L017 ブラック ¥14,300 (税込)

  • アサヒシューズ株式会社

    アサヒシューズ株式会社

    120年以上の歴史で培った、 靴づくりへのこだわり。1892年創業者先代石橋徳次郎が久留米市で前身となる仕立物業「志まや」を創業。 以来、「快適」な靴で「健康」を足元からサポートする、 そんな想いで、お子さまから高齢者までがしっかりと楽しく歩ける靴作りを行っています

Text & Photo:
日比野史明

眼鏡は伊達です。ロン毛から短髪にイメチェンしました。家族にはロン毛も短髪も不評でした。

Date: 2022.12.07

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