【特集】

使う人に寄り添うバッグづくり
NIZYU KANO

日々の生活の中で、必需品といっても過言ではないであろうアイテム、バッグ。 どこへ行くにも何かしらの荷物が付随しますが、流石にすべて手持ちなんてことはほとんどありません。 当たり前のように使っているけど、実はそこには作り手の工夫や想いがしっかりと詰まっているものです。

今回は日本のバッグブランドの〈NIZYU KANO〉を手掛ける三輪さんご夫婦にものづくりについてお伺いしました。

実際に手にしていただくと分かるのですが、使う人のことを考えて施された配慮が随所に見受けられるバッグばかり。そのものづくりの裏側に迫ります!

Youtubeではインタビュー動画をUPしておりますので、ぜひこちらもご覧ください。




ーまずは、ブランドの名前、〈NIZYU KANO〉の由来やブランドコンセプトについて教えてください。 【三輪さん】ブランド名については、お守りについているリボン結びの部分を「二重叶(にじゅうかのう)結び」と呼ぶのですが、それがブランド名の由来になっています。

昔の人たちが贈り物を送るときにこの「二重叶結び」を使っていたそうで、良いものを送りたいという意味を込めています。ブランドコンセプトは、シンプルさと使いやすさの両立です。商品自体が前面に出るというよりは生活している方に寄り添う、影で支えるような商品になるように装飾などはあまり加えず、出来るだけ素材感が表現できるようにものづくりをしています。

元々、とあるメーカーで二人ともバッグのデザイナーをしていましたが、その時には出来なかった自分たちがしたいものづくりを追求するためにブランドを立ち上げました。

ー〈NIZYU KANO〉では特徴的なバッグが様々ありますが、その商品開発におけるインスピレーションはどこから得ているのでしょうか。

【三輪さん】素材をメインで見せたいという思いがあり、特徴的な素材に出会ったときにその素材をどう使ったら良く見えるかというところからデザインを考えています。デザインありきというよりかは、素材からインスピレーションを得て、ものづくりをしています。



ー〈NIZYU KANO〉の中でも独特な見た目である、「FUKUI SIWA」シリーズのバッグについて詳しく教えてください。

FUKUI SIWA ナイロンリュック Sサイズ(左)

¥22,550(税込)

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FUKUI SIWA ナイロンリュック Mサイズ(真ん中)

¥22,550(税込)

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FUKUI SIWA ナイロンリュック Lサイズ(右)

¥23,650(税込)

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【三輪さん】元々メーカー時代にこの独特なシワ感がある素材と出会ったのですが、メーカー時代には使えず仕舞いで独立後に実際に商品を製作しました。しかし、あるタイミングでこの生地素材が提供元で廃番となってしまい、色々なメーカーと話し合いながら新たに同じような素材を作り出しました。

ナイロン100%で、糸を膨張させて生地が高密度になるような加工をしています。そうすることで強度が増しますし、独特な和紙のような風合いが「FUKUI SIWA」シリーズの最大の特徴となってくれています。また、超撥水という強めの撥水加工を施しているので、機能性も持ち合わせている生地となっています。

ーナイロン素材以外の特徴的なバッグについて教えてください。

TAKASHIMAトートS (真ん中二つ)

¥9,790(税込)

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TAKASHIMAトートM (左右二つ)

¥10,890(税込)

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【三輪さん】このTAKASHIMAトートでは国産の帆布を使用しており、パラフィン(蝋)加工をしています。その加工によって生まれる独特なシワ感(チョークマーク)が特徴的なバッグです。こちらも撥水加工を施しているので多少の雨は弾いてくれます。



ー〈NIZYU KANO〉の商品はすべて日本製ですが、日本製にこだわる理由を教えてください。 【三輪さん】元々、日本の工芸やものづくりが好きだったということもあるのですが、特徴的な国内の素材や技術を広めていきたいという気持ちもあり、国内の素材をメインに使用して国内で縫製していただいています。

Airyトートの縫製風景

別の観点で、生地メーカーや工場とのキャッチボールもしやすいという点や、輸送でもコスト効率や環境に優しいという点もあり日本製にこだわっています。

ーお二人がバッグづくりに携わろうと思った理由について教えてください。 【三輪さん】二人ともなぜかバッグが元々好きで、それでバッグメーカーに就職したということもあります。バッグの面白いところはファッション性も勿論なのですが、用途によってデザインや機能が変わったり、使う人によっても欲しい機能が異なったりとバッグに必要な要素が多種多様な中で、デザイナーがその要素を上手くまとめて製作するというところです。

〈NIZYU KANO〉としては、見た目も機能性も妥協をせずに、一つの完成された形になるようにものづくりをしています。

ーバッグづくり含めたものづくりにおけるお二人の大事なルールを教えてください。 【三輪さん】〈NIZYU KANO〉のバッグにおいては、使いやすさが前提になりますので生活の中でストレスフリーに使用できるものをつくるということ。

ポケッタブル 3wayリュック

¥9,350(税込)

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そして日常の中ではあくまでもバッグが主役ではないので目立ちすぎないように、主役となるバッグを使う人やその人の生活を支えられるようなバッグづくりを心掛けています。

ー最後にブランドとして今後の展望を教えてください。 【三輪さん】〈NIZYU KANO〉はライフスタイルブランドとして立ち上げたので、今はバッグが中心となっていますが、今後はそれ以外にも人々の生活全般に寄り添えるようなものをもっと作っていきたいです。あとは、国内で作られているものの良さを国内だけではなくて海外の方にも少しづつ紹介できるようにしていきたいと思います。




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田中駿介

Date: 2025.07.08

CRAHUGのカメラマン兼販促担当。Nikon Z8を片手に風景やヒトの写真を撮りながら、珍しいヴィンテージウェアを探し歩くのが日課。

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