ジーンズへ抱く情熱に迫る
ドクターデニム本澤裕治氏

日本のアパレル業界におけるプレミアムデニムの地位は、熟練した職人の手によって築かれてきました。その流れを汲む中、EDWIN®で10年、LEVI’S®JAPAN6年とキャリアを積み、その後独立してコンサルティング業DoctorDenimHonzawa19年目)に携わる本澤さんは、2024年4月1日で日本のDENIM業界35周年を迎えられ、日本製デニムの未来を切り拓く存在です。彼の新たな挑戦、「woadblue」というブランドは、日本の伝統技術とアメリカのファッションを融合させたコンセプトを掲げ、市場に新風を吹き込んでいます。この対談では、本澤さんの豊富な経験と、彼がデニム業界に対して抱く情熱、そしてこれからのアパレル業界におけるデニムの位置づけとその可能性について、掘り下げていきます。

-本日は、ジーンズ業界における未来の展望について、ドクターデニムこと本澤裕治さんにお話を伺います。本澤さん、よろしくお願いします。

本澤裕治: こちらこそ、よろしくお願いします。

-まず、本澤さんがジーンズに情熱を持つようになったきっかけを教えてください。

【本澤】若いころ、エンジニアリングのバックグラウンドを活かして何かクリエイティブなことをしたいと思っていました。その中で、ジーンズというアイテムが非常に魅力的に映り、その深い歴史や製造プロセスに魅了されたんです。ジーンズは、ただのファッションアイテムではなく、時代や文化を反映する鏡のような存在だと感じました。

本澤氏がwoadblueで1番のお気に入りのパンツだそうだ

-現在、ジーンズ業界はどのような変化を遂げていると思いますか?

【本澤】大きく三つの変化がありますね。一つは、消費者の意識の変化です。持続可能性や倫理的な生産に対する関心が高まっています。二つ目は、素材や製造技術の進化。そして三つ目は、デジタル化の影響です。これらの変化が複雑に絡み合い、業界に新たな課題と機会をもたらしています。

-持続可能性について、もう少し詳しく聞かせてください。

【本澤】現代では、消費者はただ製品を購入するだけでなく、その製品がどのようにして作られたか、どんな影響を環境に与えているかを知りたがっています。ジーンズ業界も例外ではなく、私たちは環境に配慮した素材の使用や、水やエネルギーの消費を減らすような生産プロセスの改善に取り組んでいます。

-今後、ジーンズ業界はどのように進化していくと見込んでいますか?

【本澤】私は、伝統的な製法と最新技術の融合が鍵になると考えています。例えば、職人の技術によるハンドメイドのディテールと、持続可能な素材や生産技術の組み合わせですね。また、デジタル技術を活用したカスタマイズサービスが、消費者に新しい体験を提供し、業界の未来を形作っていくでしょう。

-マーケティング戦略についてはどう思いますか?

【本澤】物語を重視するマーケティングが重要だと思います。ジーンズ一つ一つには、作る人の思いや、使用される素材の背景があります。これらのストーリーを通じて、消費者との深いつながりを築くことができるんです。それによって、ジーンズは単なる衣類を超えた価値を持つようになります。

-最後に、本澤さんから見たジーンズの未来像を一言で表すと?

【本澤】「革新的伝統」です。変わりゆく時代の中で、ジーンズが持つ伝統的な価値を守りつつ、革新を続ける。そのバランスを大切にしていきたいと思います。

-本澤さん、貴重なお話をありがとうございました。ジーンズの未来に向けた熱い思いを感じることができました。

≪左側≫ドクターデニム本澤裕治氏 ≪右側≫(株)ヤマツゥ 代表取締役社長 山本宏之氏

  • 株式会社ヤマツゥ

    株式会社ヤマツゥ

    素材背景・縫製・染色・WASH 加工etc...「woadblue」のアイテムは、毎シーズンごと企画から始まり、可能な限りの開発時間と手間を掛けてデニム製品産地のメッカ(岡山県)、瀬戸内三備(備前、備中、備後)地区で"生地のセレクト"や"材料調達"、"縫製"、 "WASH 加工"を一貫して生産管理をおこなっています。

Text & Photo:
三村祐貴丸

CRAHAGメンバー最年少。がむしゃらに只今絶賛奮闘中でございます。温かく見守っていただければ幸いです。(笑)

Date: 2024.02.29

この記事をシェアする

CRAHUG編集部・おすすめの記事はこちらです

RECOMMEND