旧い技術で新しいデニムを。
株式会社ヤマツゥ
woadblueとは
2016年春夏シーズンよりスタートしたデニムブランド〈woadblue(ウォードブルー)〉。〈woadblue〉は、長い歴史で培われてきたデニムの伝統を守りつつ、新しい“ブルーへの挑戦”をコンセプトとしたブランドです。 ブランド名に冠された”woad”とは、藍と同様の青色染料で中世ヨーロッパで栽培されていた、現存する世界最古の染料と言われています。 ブランドコンセプトでもある“ブルーへの挑戦”とは、新素材の採用、従来にないシルエットを提案する“世界で一番新しいブルー”。そして、日本が世界に誇る職人による手染め藍染め加工などを用いた“世界で一番旧いブルー”。 つまり、「世界で一番旧い技術で世界で一番新しいデニム」を”新しいブルー”として提案しています。
ブランドディレクターには「ドクターデニム ホンザワ」こと”本澤裕治氏”を起用。(本澤氏への特集インタビューは後日公開予定) ブランドには、長年デニムの加工に携わってきたランドリースペシャリストも迎え、これまでにないブルーの発色が特徴です。〈woadblue〉が手掛けるアイテムは、エレガンス、エフォートレス、ニュークラシックをコンセプトに新素材の使用、 新しいスタイル、新しいスタンダードを提案します。
今回〈woadblue〉のモノづくりへのこだわりをお届けすべく、〈woadblue〉のデニムを製造している工場、”西江デニム”へお邪魔させていただきました。 〈woadblue〉が提案する新しい“ブルーへの挑戦”が形になる背景、そして その挑戦を支える西江デニムのことを吉町 正俊部長へお伺いしてきました。
―西江デニムとはどのような会社なんですか? 【吉町】私たちはデニムの縫製、染め、洗いを通じてアパレルメーカーのモノづくりを支える企業です。 他社から依頼されたOEM(生産委託)やODM(設計・生産委託)、自社ブランドの企画製造販売なども行っています。
≪写真工場内≫
―様々な業務をされているんですね。創業当初からそれほど多くのことをやってたんですか? 【吉町】当初はデニムの洗い加工から始まった会社でした。そこから企業からのニーズが高まり、業務の幅が広がっていきました。
≪写真洗い≫
【吉町】現在ではデニムの製造を超えて、特許技術を使用し原材料への機能加工も行っています。抗菌や消臭、クール加工やウォーム加工、撥水加工なんかもやっているんです!
≪写真デニム加工場≫
―洗い加工から始まってここまで大きな規模感になったんですね。加工技術もそこまで多いとは知りませんでした。 ―企業のルーツでもある、西江デニムの洗い加工はどんな特徴があるんですか? 【吉町】私たちの、デニムの洗い加工は自社から作られるリサイクル水のみを使用しています。
―リサイクル水のみを使用?一体どのような仕組みがあるんですか? 【吉町】以前から私たちは、デニムの洗い加工をした後の水は、ろ過装置を通すことで魚が住めるレベルまできれいにしていました。2020年から3台目のろ過装置を設置し、洗い加工を終えた後の水を水道水と同レベルまでろ過ができるようになったため、再利用可能なリサイクル水を作れるようになったんです。
≪写真ろ過施設≫
【吉町】デニムの加工段階には、乾燥という工程があります。乾燥時は水分が蒸発するため、加工に使用した水量の5%ほどがなくなってしまうのですが、工場の屋根から雨水を集め、ろ過にかけることで蒸発した分以上の水量を得ることができます。これによりリサイクル率100%をこえて105%ほどになっています。 ちなみに排水をろ過し、リサイクル率100%を維持できる国内の洗い工場は私たちだけなんです!
―リサイクル率105%は聞いたこともないです!どうしてそこまで環境のことを考えたモノづくりを続けているんですか? 【吉町】デニムの生産はコットンの栽培から染色、加工までに大量の水を使用する産業と批判されてきました。洗い加工だけで3、400トンもの水を使用してしまいます。そこで、私たち西江デニムはいかに地球環境に負荷をかけずに、デニムの加工をすることができるのかを考えてきました。
―環境問題を考えながら、工場を続けてきたんですね。 ―60年近く西江デニムは続いていますが、工場を継続させるために挑戦していることはありますか? 【吉町】日本のデニム加工の技術は世界中から評価されています。私たちはその技術を守りながらECOなBLUE JEANSを作っていきたいと思っています。 そのため、顧客のニーズを探求し続け、それに合う加工や素材を開発・提案していきたいと考えています。
―世界からの視線を考えつつ日本らしさを大切にする姿、かっこいいです。 ―最後に、これからの西江デニムの展望を教えてください。 【吉町】私たちだけでしか作れないものを提案し続けたいです。顧客のニーズに応えられるオーバークオリティでないものを作っていきたいです。