【現場レポート】
CRAHUGオンライン工場見学#2を終えて

12月17日、CRAHUGオンライン工場見学イベント第二弾を岐阜県羽島郡笠松町にある染色工場「木曽川染絨株式会社」で開催いたしました。今回は当日MCを務めた及川より、その様子をレポートしたいと思います!当日ご参加いただいた方も、そうでない方も是非是非最後までご覧ください!

岐阜県の木曽川のほとりにある「木曽川染絨株式会社」は、草木染めや環境問題、SDGsへ取り組むサステナブル染色工場。 「笑顔のある暮らしのためにモノを作り、ユーザーに届けたい。」という思いのもと2021年にファクトリーブランド〈kiso〉をスタート。草木染めの魅力がたっぷり詰まったウェアは、みなさんの心身の基礎を整えてくれることでしょう。

さて、そんな木曽川染絨株式会社や商品についてたくさん知ってもらおうという今回のイベント 当日のプログラムはこちら▼

第1部 染色工場内の紹介動画を配信 第2部 木曽川染絨(株)代表・安藤さん、山田さん&CRAHUGディレクター梶原さんのトークセッション 第3部 マスクの草木染め実演

第1部 染色工場内の紹介動画を配信

少し緊張した面持ちでスタートした配信。当日は30名以上の方にご参加いただきました。

今回のツアーコンダクターは木曽川染絨(株)代表・安藤さん(画像右)と開発グループリーダーの山田さん(画像中央)

染色工場内は動画にてご紹介。染色工場にはどんな機械があるんだろう?私が今着ている服はどのように染まっているんだろう?そんな疑問にお答えできる見応え満載の動画となっております。

第2部 CRAHUGディレクター梶原さんとのトークセッション

木曽川染絨株式会社についてよく知れたところで、さっそくトークセッションです! CRAHUGディレクター梶原さんを交えて、草木染めや環境問題、SDGsについてお話いただきました。簡単に当日話された一部内容をご紹介します。

―取り組んでいるSDGsについてご紹介をお願いいたします。

【安藤】弊社は低浴比タイプの機械を導入しております。これは、染める生地の重量に対して使用する水の量をいかに少なくするか、そういった機械です。水を減らせばどういったサステナブルに繋がるかですが、まず水を捨てる量が減ります。年間1万3千トンの水を減らすことができ、この水の量は小学校の6レーンの25mプール約30杯分です。また、水の量が減ればガスの使用量が減りますので、その分CO2の排出量を年間940トン減らすことに成功しました。また、オーガニックコットンや天然染料を使用した草木染めなど、水質汚染の減少に取り組んでいます。

―SDGsにも繋がる草木染めについて、梶原さん教えてください。

【梶原】多くの布は化学染料を使用して染められていますが、すべて自然由来のもので染め上げる草木染めというのは、人にも環境にも非常にやさしいものになっています。その魅力の一つは「環境にやさしいこと」。排出された染料による水質汚染は、環境問題の原因とされています。しかし自然由来の染料は環境を傷つけない良さがあります。次に「人にやさしい」という点です。口にしても身体に悪くないと言われるほど安全性が高く、特に敏感肌の方や肌が弱い方にはとてもやさしい染料です。もう一つは「色が優しい」という点です。幾重にも色が重なったような、ニュアンスカラーが特徴です。色が拡散して視界に入ってくるため、自然の中にいるような安心感が得られます。

梶原さんは東京からリモートでご参加いただきました

当日はこのようにリモートでトークセッションをお届けしておりました。

―ニュアンスカラーが特徴の〈kiso〉の草木カラーですが、木曽川染絨さんならではの特徴はあるのでしょうか

【山田】弊社では2種類の草木染めの染色方法を使用しています。1つ目は「ボタニックス」こちらは植物染料を100%使用しており、目からやすらぎを感じられるような商品になります。もう一つは「ボタデジ」こちらはハイブリッドな商品となっており、植物染料の優しさのある色とデジタルなカラーを掛け合わせた加工です。植物染料を100%だとどうしても色の表現に限界がありますが、ボタデジ加工では色の幅を持たせることが可能です。

―その染料を使用しているのが、ファクトリーブランド〈kiso〉ですが、立ち上げのきっかけについて教えてください。

【安藤】周りの方や社員にはいつも言っていますが、自分に関わる人みんなが笑顔になってほしい、そんな思いで日々働いています。しかし、染色工場はなかなか人目にはつかない部分です。その中で、会社に意義を持たせるためにはどうしたらいいか、笑顔を作るにはどうしたらいいか考えたときに、社員だけでなく世界の人が笑顔になれるようなそんな製品を作ろう、そう思ったのがきっかけです。

【梶原】木曽川染絨さんと出会った当時コロナが猛威を振るい、発注が減少する中で待っているだけではダメだと安藤さんとお話をしていました。私も経験上、工場が自社発信して、自分たちから消費者と繋がっていけるような行動が必要だと感じていました。そこでちょうど草木染めの開発を行っていることを知り、素晴らしい技術を持っているということ、そして安藤さんがユーザーと繋がり、笑顔をある暮らしを提案していけるような安心感のある商品が思い浮かんだこと、それがきっかけとなりました。

―〈kiso〉にはどんな思いを込めているのでしょうか?

【山田】〈kiso〉を通して、買ってくださった方が笑顔になれるような、そんな活動をこれからも続けていきたいと思います。

【安藤】「笑顔のある暮らし」を実現させるために、日本国内のみなならず世界中の人を幸せにできるように、そして世界中の人に一人一枚〈kiso〉の商品を持っていただけるように活動していきたいと思います。

【参加者からの質問タイム】(一部抜粋)

Q.ファクトリーブランド立ち上げで最も苦労したことは何でしょうか? A.【安藤】製造工場というのは、モノを作ることはうまくても製品に込めた思いをどう伝えればいいのか。いかに伝えていけばいいのかという部分は今も苦労しています。

Q.洗濯などお取扱いで注意する点はありますか? A.【山田】草木染料で染めたものはどうしても色落ちしていきます。しかし、経年変化を楽しんでいただけるというコンセプトも〈kiso〉に込めております。草木染めならではの色の変化を是非楽しんでください!

第3部 マスクの草木染め実演

最後はお待ちかね、マスクの草木染め実演!染色のプロ山田さんによるLIVE配信です。 草木染めは、お水・染料・生地・熱があれば染めることができるそう。今回は「ラックダイ」という染料を使用します!

本日の染料は「ラックダイ」ラックダイは様々な樹木に寄生するラックカイガラムシから得られる染料だそう。

水に染料を入れ、火にかけます。マスクはどんな色になるのでしょうか…わくわく

鮮やかに染め上がりました!!流石プロ。色ムラがありません!!

なかなか見る機会のない「染色」。鮮やかな色が自然由来の草木から生まれる、というのはとても考えさせられます。道端で見かけたお花や草をみて何色に染まるんだろうなんて考えちゃいますね…!

お家でも簡単に体験できるそうですが、山田さんはいかにきれいにムラなく染め上げるか、プロとして常に試行錯誤しているそうです。

最後に

皆様、CRAHUGオンライン工場見学イベント第二弾いかがでしたか?普段見ることのできない染色工場について、そして工場の抱える問題や取り組んでいるSDGsについて知ることができたのではないでしょうか。 私たちがいつも手に取り着用しているお洋服も、糸から始まり、編まれて、染色されて出来上がっていることを再確認できました。自分にとってのSDGsって何だろう、少しでも考えるきっかけになれれば嬉しいです。

次回のイベントでは更にパワーアップした内容をお届けできるように、絶賛準備中です! 皆様からのご意見や、こんなイベントして欲しいなどのご要望をお待ちしております!

ご協力いただきました木曽川染絨株式会社の皆様、そしてご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

  • 木曽川染絨株式会社

    木曽川染絨株式会社

    1950年、岐阜県にて繊維類の染色加工業として創業。我々は、生地の染色整理加工を生業とする企業として、全ての技術と創造力を結集し、少数精鋭でありながらもお客様に満足して頂ける物作りに挑戦してきました。kisoは木曽川の地で作られた草木染め素材をもとに、安らぎ感のある製品を提案します。自然から表現された色や動きやすい形から、心身の基礎を整えていく暮らしに役立つものを生み出していきたいと思います。

Text & Photo:
及川 理菜

最近姪っ子が生まれて有頂天のCRAHUGのEコマース担当。好きなラジオのコーナーは霜降り明星のANN「ポケットいっぱいの秘密♪」のコーナー

Date: 2021.12.20

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