【特集】

「身につける人が主役のジュエリーを。」
yoaaのものづくりの現在地と未来
株式会社TRODUCTS

繊細な光を宿すシルバー925のアクセサリーを中心に、 控えめでいて心に残る佇まいのジュエリーを届ける yoaa〈ヨア〉。

前回の取材から約2年。ブランドの世界観はそのままに、ものづくりへの視点や挑戦の幅はさらに豊かに広がっていました。

今回は、モノづくりへの思い、そしてこれからのyoaaが目指す姿について、株式会社TRODUCTSのデザイナー兼制作兼代表取締役である小林真奈美さんの“今の言葉”を丁寧に掬いながらお届けします。

≫【第1回】インタビュー記事はこちら

日本の技術を世界へ。変わらないものづくりの軸

-前回の取材から約2年が経ちましたが、ブランドとして何か変化はありましたか? 【小林さん(以下敬称略)】良い意味で、製造工程や「Made in Japan」へのこだわりはまったく変わっていません。シルバー925をしっかりと使い、自社工房で一貫して作る。その軸は今も大切にしています。 大きな変化で言えば、2024年にニューヨークの展示会へ出展したことですね。アメリカ市場で日本のジュエリーがどこまで戦えるのか、一度確かめてみたいと思っていました。そこからブランドとしての視野や今後の目標が大きく広がりました。

(右)株式会社TRODUCTS代表取締役・小林真奈美さん(左)yoaa・籠島沙織さん

-海外での経験から得た気づきはありますか? 【小林】日本ではシルバー925やアコヤ真珠といった素材に注目される方が多いですが、海外の方は素材より商品のデザインや技術を見ている方が多い印象で、やはり日本の繊細な技術は誇れるものだと再確認しました。細部へのこだわり、背景の積み重ね方などは日本ならではなので、そこをお客様へしっかりと届けていきたいと強く思いました。

ブランドが大切にしている価値観

-現在、最も大切にされている価値観を教えてください。 【小林】昔から変わらず「貴金属そのものの美しさ」を大切にしています。最近はステンレスジュエリーが増えてきていますが、やはり貴金属が持つ深みや艶、時間とともに増す存在感は唯一無二だと思っています。yoaaのアクセサリーを手に取ってくださる方がより長く愛用できるように――その思いでひとつひとつ丁寧に作り続けています。

-シルバー925というところが特徴のyoaaですが、ブランドならではの強みはありますか? 【小林】デザインから製造まで一貫して作れることです。制作中に実際に体に当てて、もっとも可愛く見えるサイズ感やバランスを微調整できる。それは外注では難しいことで、yoaaの大きな武器だと思います。 実際、ジュエリーが得意ではなかった方からも「付け心地がすごく良い」と言って頂くことが多いです。吸い付くような滑らかさや重ね付けのしやすさなど、“着けてみて初めて分かる良さ”は今後も大切にしていきたいです。

-デザインするときに意識しているポイントはありますか? 【小林】とにかくサイズと形です。1mm違うだけで全く別物に見えたり、磨き方によって印象が大きく変わるのがジュエリーの世界です。平らに磨くか、内側に丸みを残すかでも雰囲気が変わるので、そこは徹底的にこだわっています。 また重ね付けを楽しんでいただけるよう、複数のアイテムを組み合わせても違和感のないように、製造の段階で合わせながら制作することも多いです。

-ものづくりの中で、難しい工程はどんなところですか? 【小林】石留めと呼ばれる作業は特に高度な技術が必要です。爪より小さいくらいの細い工具で、金属に切り込みを入れて石をセットする、とても繊細な作業です。また、金属に直接模様を刻む「彫り」の職人さんも年々少なくなっていて、ここも難易度の高い領域です。

今後の挑戦と思い

-これから挑戦したい素材やデザインはありますか? 【小林】ベースはこれからもシルバー925ですが、天然石を使ったシリーズには挑戦したいと思っています。これまであまり扱ってこなかったので、yoaaらしい表現ができたらと思っています。

-この冬のギフトにおすすめしたいアイテムはありますか? 【小林】これから販売予定の新作の“付け替えができるネックレストップ”はホリデーにぴったりです。調整チェーンやパーツを組み替えて楽しめるので、贈り物にも喜ばれると思います。 また、個人的には炎とハートのモチーフを掛け合わせた“メラメラ”という新作もおすすめです。温かみがあり、ホリデーシーズンに気持ちを添えてくれるデザインです。

-最後に、これからCRAHUGで出会うお客様に伝えたいことはありますか? 【小林】ジュエリーは主役ではなく、身につける方を主役にする存在だと思っています。長く愛用することで生まれる質感や深み、そこに宿る時間は貴金属ならではの魅力です。ジュエリーは“受け継ぐ美しさ”があるものだからこそ、長く愛されるものづくりを続けたいです。

遊佐歩央

Date: 2025.12.12

食べ歩きと旅行が趣味のCRAHUG・SNS担当。

CRAHUG編集部・おすすめの記事はこちらです

RECOMMEND